私は望まれたのか
母はきっと逃げ場が欲しかっただけ
結婚する人は誰でも良かった
とにかく家から出たかった
捻くれてるのか私はそう思う。
母の父は昔ながらの頑固オヤジで
母には背を向けてしか話さない
何事にも父の許可が必要だった
門限も厳しく結婚も簡単に許してもらえなかった
母は出産後里帰りをした。
それがまた新たな毒を作った。
赤子が泣くと
うるさい!
と母の父は怒鳴った。
それが恐くて恐くて
母は少しの泣き声でも
ビクビク怯えて育児ノイローゼになった。
早々に里帰りをやめて
自宅に戻り
一人で子育てをした
ストレスからは母乳は出ず
泣けばミルク泣けばミルク…
それでも数少ない私の幼少期の頃の写真に写る
母は笑顔だった。